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Story   

本編はプライベッターでリスト公開を行っています

※現在非公開

1部 SCAPEGOAT

 第1章  Malignant Resonance

 第1.5章  Next Zoe

 第2章  Last Aid

 第3章  Distopia Seekers

1.5部 CANON

 『 i

2部 AMBIVALENCE

 第4章  Breakable Paradox

 第4.5章  Zoe the End

 第5章  Zero -sinner- Rebellion

3部 APOCALYPSE

 第6章  Scarlet Fury

 第7章  Cage Desire

 終章   Doom's Day

0部 SERAPHIM

 第0章  CALL MINUS

百怪夜行 -System×Zoe-

 【聖骸】

​ 【聖典】

黎明リフレイン

慟哭リフレイン

​◇咎の章

現代京都と座標を同じくして反転した鏡面世界、獄世京都。

そこでは獄卒と呼ばれる組織が地獄行きとなった死者の魂を日々管理していた。

しかし、ある戦い、ある場所で。

■■■■を失った九条紀助は、この世の禁忌である間違いを起こしてしまい───────

※以下、各ストーリーのプロットになります。多大なネタバレを含みます※

​1部

 第1章 ◆ Malignant Resonance

​  イメージソング ebullient future / ELISA 

九条紀助は、学生であった。

当時ではよほど家が裕福で秀才でないと通えなかった大学に籍を置いており、学問に励んでいた。

 

そんなある日の帰り道、彼はふと立ち入った人気のない大学の図書館で異変を感じた。
硬直した体で唯一動くことの出来た視線が捉えた茜さす図書館の赤絨毯は、燃えるようにさらに緋く見える。

 

〝つけられている〟。

 

直感は、やがて確信へと変わる。
肌を刺す空気が痛い。
それでいて、まるで流動体のように体に絡みつくような、生ぬるく、気持ちの悪い感覚。
明らかな程の殺意を感じていた。
本棚の影を縫うようにして、図書館奥の資料室へと逃げ込んだ。
思えば、これが全ての間違いだったのだ。
どうして入口側へとうまく逃げられなかったのだろう。
鍵を閉めて床に座り込むと、傍らにあった姿見に焦燥し切った自身が目に入る。
それから先の記憶はない。
ただ、痛かったことだけは鮮明に覚えていた。

 

 

「……きーちゃん、聴いとる?」

 

聞き慣れた部下の声に、紀助は我に返る。
ソファに腰掛けたまま寝ていた、のだろうか…?
さながら白昼夢といったところだろうか。
心配そうにこちらを覗き込んでいたのは幹部の三条瑛汰で、その後ろでは呆れたように瑛汰の相棒で、幹部の片割れである二条麿臣が眉を顰めていた。
しどろもどろしていると、ふと左袖がきゅ、と握られる。
目をやれば、金色の双眸がこちらを見上げていた。
「きいさま…?」
嗚呼​────。
自分は、このために生きているのだ。
戦うのだ。
君を守るため、生かすためならば全ての犠牲も厭わない。

 

九条紀助は、獄卒であった。

 

これは、彼が烏室春亮を失うまいとした歪な物語。

恐らくこれが、2度目に烏室春亮に命を救われた瞬間だったのだろう。
京都大戦で暴走した悪鬼が、壁へ打ち付けられて動けない紀助の喉笛を掻っ切ろうと襲い掛かったその隙間に飛び込んだのが春亮だった。
闇廻廊に存在する〝精神〟、奥の間に封印された〝能力〟は健在。
しかし彼がこの獄世京都での〝肉体〟を失くしてしまえば。
烈断された3つの部品から成り立つ焔龍である烏室春亮の顛末など、考えるまでもなかった。

遠のく意識を、紀助は必死に繋ぎ止める。
駄目だ。
紀助を守るために春亮が失われるのは、本末転倒である。

一瞬の出来事だった。

 

耳を劈くような断末魔、降り掛かる生暖かい鮮血。
その隙に飛びかかった瑛汰が悪鬼をなぎ倒し、麿臣が駆け寄ってくる。
ぐたりと体に覆い被さる春亮。

 

こんなこと……、こんなこと、あってはならない!
それならば​────

 

九条紀助は麿臣や側近である五条景時の静止を振り切り、能力を使用した。

 

「私は大戦の前へと時間を巻き戻す。私は、世界のために彼を失えない。」

 

大罪である。
それでも、それでも紀助には春亮を失えない理由があった。

 

所詮能力の影響を受けないのは時間操作をする紀助だけ。
ならば、何度でもやり直せばいいのだ。
それだけの力が紀助にはある。
神がそれを紀助に与えたのだ。

 

しかし、どうしたことだろう。
何度やり直しても、何度過去へ帰っても、形は違えど必ず大戦は起きるし、必ず春亮は死ぬ。
逃れられないのだろうか…?

 

では、春亮の時を止めてしまえばどうだろう。
紀助はさらに過去へと遡り、そこで幼少の春亮に出会う。
このまま、彼の体が成長しないようにしてしまえば…?
きっと同じ大戦でも、戦闘能力が青年時より遥かに皆無の彼ならまた未来は変わるはず。
紀助は春亮のみの時間を操作し、彼を幼い姿のまま砂時計の砂を止めてしまった。

 

迎える京都大戦、無事、被害者は出さずに獄卒側の完勝となる。

 


しかし、現世ではそうもいかないのだった。

 

「南雲紀助くん。俺はね、君を殺さないと気が済まないみたいなんだ!」

 

紀助の時間操作の影響を受けなかった者が、もう1人。

 

「君のおかげで、僕の友人は何度も死んだ。何度も何度も、何度見舞いにいって何度葬式をしても、彼は何度も死んだ。俺がこの死の螺旋から逃れられないっていうのに、君は自分のためだけに俺の友人を殺し続けたんだ。そんなこと、俺だけが苦しんで済む話だと思う?」

 

さあ。
■■■■の復讐が始まる。

 

彼の操る悪鬼は獄世京都中を駆け巡り、火の海へと変貌させた。

彼自身は、高みの見物。

 

「嗚呼、このまま獄世京都なんて世界……獄卒なんてケダモノの集団、消えてしまえばいいのにね……!」

 

紅い番傘が揺らめく炎の向こうへと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

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第1.5章 ◆ Next Zoe

三条瑛汰の兄妹は、彼の愛する三条抹里ただ1人である。

が、史実はそうではないらしい。

隠された真実は語る。

三条瑛汰という魂には双子の兄、三条慧汰がいた。

瑛汰は、京都大戦より以前の五条乱戦で慧汰を亡くしてから〝記憶操作〟の能力を持つ五条景時によって兄の記憶を消され、代わりに新たに魂を授かった三条抹里を妹として認識するようにそれまでの人生を書き換えられていたのだ。

それは抹里自身や周りの獄卒も同じであり、偽りの三条兄妹はそれまでの作られた記憶で幸せに過ごしていた。

しかしその行為を知っておりのっけからあまりよく思っていなかった風蝶が、万を辞して瑛汰に真実を打ち明ける

第2章 ◆ Last Aid

イメージソング Just Like Fire / P!nk  

第1次獄京大戦で無事ターゲットを捕縛、地獄送りにし、獄卒達はようやく一息つく。


しかし獄世京都に蔓延る悪鬼に獄卒を潰して欲しかった高崎誠斗にとっては作戦失敗なのである。
それでは別の方法を考えなければいけない。
そうだ、今度は獄卒と仲の悪い組織、星詠と殺し合いをさせれば良いのでは…?

思い立った誠斗は己の能力で星詠唯一の双子である豪徳詠海を殺害し、それを獄卒の仕業だと仕立てあげた。
もともと一触即発にあった獄卒と星詠の間では思ったより簡単に戦闘が行われるが、ある時仲裁に入った風蝶の投げかけた疑問で双方が戦の手を止める。

 

それは、本当に獄卒が詠海を殺したのか?というものだった。


そしてお互い今回の事件について調べ進めるに連れて、闇廻廊を通った魂の数と獄世京都に存在する魂の数があわないという指摘から、ふと高崎誠斗の存在が浮かび上がった。

常に水面下で争いをしていた天上と下界の使者、獄卒と星詠が手を取り合い、誠斗に立ち向かう。
さすがに真相を暴かれてなお無駄に足掻く誠斗ではないため、獄世京都では誠斗と獄星連合の全面戦争が繰り広げられる。

相手は誠斗たった1人ではあるが他の悪鬼悪霊を配下として行使してくるため、戦闘向きではない星詠は勿論、日頃悪鬼悪霊の成敗で戦闘慣れしている獄卒ですら半分の命を奪われたまま、後に第2次獄京大戦と呼ばれる戦いは終盤へ。

 

「死者の世界」では、二度目の死は訪れない。

しかし、この世界から消し去ることは可能だ。

極楽、エーリハイン、獄世京都、地獄という常世で唯一魂を封印、消滅させることのできる三条大橋へ誠斗を追い込み、放たれた炎の中瑛汰は自らを犠牲にして誠斗を道連れに三条大橋上空の時空の狭間へと飛び込む。

痛いほどに緋く染まる獄世京都は静まり返った。

獄卒、星詠らですら予想外の結末を迎えてしまった大戦は世界に大きな傷を残したまま終わってゆく。
願わくば、失われた仲間の命は安らかに眠り、世界が平和でいられますように

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第3章 ◆ Dystopia Seekers

イメージソング アシタノヒカリ / AAA  

第2次獄京大戦より数年が経ち、獄京もやっと落ち着きを取り戻した。

たった1人で三条通りを守らねばならない抹里は、ある日兄の遺品を整理している時に殴り書きをされた日記のようなものを見つける。


それは、瑛汰の書き記した三条の獄卒についての真実だった。


「自分には魂を埋め込まれた肉体が兄弟であった死んだ兄がいて、作られた記憶である抹里の肉体とは本当の兄妹ではない。彼女との幸せな記憶は偽りだった。」
 

知らなければこれからも1人寂しく苦しいながらも兄を愛して生きていけただろうに、抹里は自ら真実を知ってしまった。

あの時瑛汰が自らを犠牲にしたのは、本当は兄である慧汰を追うためだったのだろうか?

それとも純粋に仲間である獄卒を守りたかった?


話を持ち掛けると記憶操作を命じられていた景時には散々謝られ、瑛汰の死後それを聞かされていた幹部の片割れである麿臣にも黙っていたことを謝罪される。
 


何も慰めを得られないまま抹里は成長し、衰退した紀助の跡を継いで獄卒の頭領となる。
同じ時期に同じくして星詠の頭領を継いだ園宮鐘を心の支えにしながら味気のない日常をそつなくこなすも、どこか虚ろでいたことが心の隙間を産んだのか、ある日三条大橋の時空の狭間が何者かによって内側から開かれてしまう。

それは、元々持っていた力により完全な消滅は免れていたらしい高崎誠斗の怨念だった。


とても人間であったとは思えないそのおぞましい怪物を相手に、再び獄卒と星詠は封印を試みなければいけなくなる。
執拗に抹里を攻撃してくる怪物だったが、その手が抹里に届くことは無かった。
何が抹里を守っていたのだろうか?

怪物は魂が形状を成していないことから再び封印するのは不可能と判断され、何かしらの手段で浄化をする必要があるとわかる。
考えあぐねた結果、それは獄卒を攻撃した誠斗の本来の目的である時間操作に関係することなのではないかということになった。


抹里はほとんど戦線には立たなくなった紀助を呼び出し、春亮の時間操作を解くように説得する。
春亮の時間操作を解くということは、つまり春亮の肉体が死を迎えるということだった。

 

春亮を生かすために、紀助は「春亮の死ぬ未来」が来ないよう、春亮自体の時間を止めていたのだ。

時間をかけて説得し、紀助が春亮の時間操作を解くと、幼い姿から紀助を抜いてしまうほどに背丈の大きくなった春亮が儚く笑う。
ありがとうという言葉とともに、紀助にもたれた彼の肉体は消滅してしまった。

すると怪物も雄叫びと共に白い光に包まれ、跡形もなく消え去ってしまう。


最後まで抹里に付きまとい抹里を守っていた黒い影を、〝死の見える能力〟を持つ麿臣だけが三条瑛汰であると知っていた

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2部

 

 

 

 

 

第4章 ◆ Breakable Paradox

イメージソング MASK / AAA  

獄卒(3代目)・星詠(2代目)、第2世代突入。

第3次獄京大戦までのメンバー(2代目獄卒、初代星詠である第1世代)は一部を抜いて引退、候補生がそれぞれの地位を継ぐ

ある日、抹里の前に一人の少女が現れた。

見覚えのない抹里に、彼女は星岡夢乃、と名乗る。

昔、闇廻廊最深部「知識の海」より解放されて以降四条女鵺が面倒を見ていた少女だった。

1部にて闇廻廊最深部「知識の海」より解放されたユメユメ──星岡夢乃は、薔薇院澪織が肩入れしている星詠第二世代月原魅音と繋がりがある。

〝未来の獄卒〟として候補生がいる獄卒と違って星詠は基本的に1代制なので死ぬまで代わりはいないが、月原魅音は次代星詠として既に1部時点で薔薇院澪織の手元に置かれていた。


魅音と夢乃は元来同じ魂から生まれたいわば双子、運命共同体。
魂と言っても、それは1部で起こった誠斗との戦争による“世界の歪み”から生まれた亀裂のような存在だった。
世界の均衡を取るために、埋め合わせとして神より生み出されたのだ。

 

魅音は天上でのバランスをとるため星降りの塔最上部「不動の針」へ幽閉。
夢乃は下界でのバランスをとるため闇廻廊最深部「知識の海」へ幽閉。

彼女たちは天秤の双子と呼ばれていた。
 

恐ろしいことに、2人は存在自体が魔力の塊である。
魅音は体の成長を、夢乃は知識の学習を止められていた。

ちなみに魅音は狼、夢乃は兎の姿を模している。
(魅音は星降りの塔内でしか狼の要素は見られない)

産み落とされてしまった彼女らに名前を与えたのは薔薇院澪織だ。
模した姿と名前の関連性は、この世界の歪みから生まれた二人の存在について口外することを神族天族から禁忌とされていた澪織が、せめて誰か気づかないものか、救ってやってはくれないかと散りばめた唯一のヒントである。
(月といえば兎、星の丘から星降りの塔、など)

1部で麗茶が夢乃を解放した鍵はこんなにも世界が傾いているのにどうしてか崩壊しないことを不思議に思った風蝶が麗茶と共に全ての謎を解明し、薔薇院に問い詰めて手に入れたもの。
夢乃が闇廻廊最深部から消えたことで再び傾いた世界の補正は、風蝶が肩代わりしていた。

そんな風蝶を救ったのが、天秤の双子に匹敵する莫大な魔力を有していた柊。


柊は風蝶の前世、彼女がまだ松羽恋梅という人間だった頃から風蝶を知る酒呑童子で、当時村人に捕らえられ、虐げられ、拷問を受けていた柊を救ったのが恋梅だったという。
柊は逃がされたが惜しくも恋梅はその時命を落とし、蝶化身として生まれ変わった。


そもそも風蝶が闇廻廊にいるのは、恨むべき人間を正統に裁くためだという。
でもそれはきっと口実で、死んだら間違いなく地獄に来るであろう酒呑童子を待っていたのだとか。

意識の途絶えた風蝶の前に現れた柊は全ての恩を返すため、風蝶では支えきれなかった世界の傾きを正し、同時に月原魅音も解放する。

こうして裏では柊と風蝶が世界を支えていたのだ。

ちなみにこの世界の傾きは1部3章で烏室春亮を天に還したことで高崎誠斗の魂も浄化され、歪みが消え去り2人が支えずとも正常に戻ったのである。

天秤の双子は魂の器から精神までもが魔力で造られたものであるため、死者の体を借りている他の獄卒や星詠と違って前世の記憶や帰る場所などは一切ない。

ここで新たな問題が浮上する。

天秤の双子の片割れである月原魅音には、天秤の双子そのものの役割を終えた後でも2代目星詠として幽世に居場所を与えられている。​

それではもうひとつの魔力炉、星岡夢乃は…?

育ての親と言っても過言ではない四条女鵺さえ死んでしまった。

​星岡夢乃、彼女の存在意義とは何なのだろう。

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第4.5章 ◆ Zoe the End

イメージソング Ghost of a smile / EGOIST  

全ての真実が明かされる。

ここは精神の世界、「不動の針」。

現在獄卒頭領である抹里、死んでしまった慧汰と瑛汰の3人が再開し、話をする

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第5章 ◆ Zero -sinner- Rebellion

イメージソング Clock Strikes / ONE OK ROCK

少しずつ見えてきた、過去の獄世京都、過去の大戦、過去の獄卒。

彼らが最期までたどり着けなかった、隠された最後のひとり。

捕縛、隠蔽、監禁、磔、改竄。

罪人は、誰だったのか。

ほんとうにその「罪人」は「罪人」だったのか…?​

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1.5部

『 i 』

イメージソング URUSaaA愛 / YM feat.あらき  

1.5章Next Zoeの裏、三条慧汰はどのようにして死んでしまったのか?というお話。

時系列的には1章Malignant Resonanceの前にあたる。

『慧汰(Keita)』という名前で英単語で一般的に発音されないことが多い頭文字の『K』と、数学において虚数を表す『i』を抜いても『eita』、または『eta』と弟の名前になるのは偶然か必然か。

慧汰の死んだ戦い、五条乱戦。

それは、まだかつて獄卒が全刀揃っていない頃に起きた悪鬼悪霊による暴動である。


闇廻廊から引きずり出された焔龍、狼神四冬の能力部分が悪鬼悪霊によって操られていたのだが、闇廻廊で精神部分が生きている今はまだ討伐するに出来なかったのだ。


当時の獄卒は二条碧深、二条麿臣、三条慧汰、三条瑛汰、四条女鵺、五条景時、八条迷々、九条紀助、候補生は四条命矢、八条蓮のみ。
結果的に身を挺して慧汰が魂を食い殺される形で冬の龍に呪いを埋め込み、共に命を絶った。


冬の龍は自我離反操作をさせる能力を持っていたため、この被害で悪鬼悪霊はもちろん、多くの名もなき獄卒候補生が亡くなっている。


ちなみに獄京ではいくらその身を獄卒に斬られようと一時的に精力を奪われるのみで悪鬼悪霊は死ぬ事は無いが、闇廻廊の焔龍達の力は莫大すぎて死ぬことのない魂を消滅させることが出来る。
更生が出来ず獄京が苦痛になった悪鬼悪霊たちの集団心中のような暴動だったのだろう。

慧汰は魂を引き換えに冬の龍を鎮めたため獄卒としては生きることが出来ず殉職という形になったが、その魂の器である肉体と彼の魔力を持った私物や魔石は現在も極秘に厳重に保存されている。


当時まだ幼かった瑛汰のこともあったが、薔薇院らは成功率の低い慧汰の修復は諦め、その魔力を使って新たな兄弟を授けることにした。
 

なぜわざわざ新たな兄弟を授けたか?

瑛汰から慧汰の記憶は消せても、兄弟がいたという事実は歴史から消すことが出来ないからである。
 

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​0部

第0章 ◆ CALL MINUS

イメージソング Destruction / Foreground Eclipse

ラヴオーナーキッスと呼ばれた先代、初代獄卒。

彼らは一体、何者だったのだろうか?

おおよそバケモノにしか見えないソレ。​

​4人は、何を封印して何を生贄にして、何の上に立っていたのだろうか。

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​百怪夜行 -System×Zoe-

【聖骸】

九条紀助が獄卒になる前、人間だった頃に犯してしまった間違いの話。

彼は、生まれながらにして九条紀助だったのだろう

誰が彼をそうしてしまったのか。

彼を正すことはできなかったのか。

本当に、彼だけが間違ったのか?
 

 

【聖典】

これは日記。

その本の在り処は?

​著者は?

ああ、悲しい物語が綴られている。

ここには、あってはいけないもの。

世界時計の管理者、ハニーチェスカ・フロックハートは、そっとその日記を本棚に戻した。

​3部

第6章 ◆ Scarlet Fury

イメージソング Last Liar Standing / Foreground Eclipse 

のちの正規獄卒となる3人の、一緒に過ごした日々について。
当時の獄卒は初代なので、候補生である彼らは意外と暇なのである。

まず、二条麿臣は死神である。

━━いや、死神に憑かれている、という表現が正しいか。



麿臣、瑛汰、慧汰の3人は初代獄卒二条呼詠より、現世にて宝物探索をするよう頼まれる。
その宝物とは祓魔道具のことであり、魔除けの強い能力を持ったこれは麿臣自身に宿った死神を滅ぼす唯一の手段でもあった。

麿臣が死神と契約を交わしてしまったのは獄卒候補生としてこの常世に生まれた時。
「この先は地獄だ。お前はこの先何度も死に直面しながらも、何の見返りもなく世界の天秤に平等に血を注ぐことになる。恐ろしいか?恐ろしいだろう。お前の右眼と引き換えに、不死の安寧をやろうか?」

死神が二条麿臣に目をつけたのは、生前より彼の魂が埋め込まれた肉体が「死と害悪を寄せ付ける体質」であり、授けられた二条麿臣という魂自身も「限りなく死に近い色」であったから。
たまにいる、なんとも不幸なやつのそれである。

二条麿臣の魂が欠陥品となってしまったのは何も不都合があったわけではなく、「生まれた瞬間に自ら歪んでしまった」だけ。
人格形成の段階で外界からの接触もなく、ただただ「そうなってしまった」。
誰かが「人を愛せる優しい人」に成長したかのような、そんなふうに簡単に二条麿臣の魂は自ら破滅を選んだ。

普通は借り物の肉体に魂を埋め込んだ時にそれが判明すれば拒絶反応ととられ、獄卒として生み出された直後に魂は肉体から取り出されて借り物の肉体共々極楽へと送られる。
しかし二条麿臣のそれは、死神との契約によって完全に本人すら自覚出来ない内面へと隠されてしまった。

 


死神が欲した右眼。
単純な視力を奪うだけでなく、元より彼が持つはずだった「絶対を見る能力」、「世の理を予測演算する能力」を尽く奪っている。
これらはそれぞれ「比較対立のない対極のものを感じ取る(≒魔力量を感じ取る)能力」、「判断の結果を的確に直感する能力」である。
この2つの能力を麿臣が保持したまま時が流れたのならば、事が重大になる前に「紀助の時間操作があまりにも間違いすぎていること」、「どう行動すれば二条碧深を死なせずに露切佳史を救えるか」などが容易に指摘、判断できていたということになる。

 

死神は麿臣の奪った右眼を通して、麿臣の見るものを見ていた。

そして、そんな彼に死神は与えもした。
それは「死を見る能力」と、「無意識時(主に睡眠時)に時間の枠を超えた世界の災厄を見る能力」。
麿臣がこの能力を使うことで死神は麿臣から魔力を供給されていたわけである。

その他に、死神は麿臣が悪鬼悪霊を討伐した際に得られる魔力量の半分を提供することも契約に含めた。
自ら死に向かうさだめを知らされた麿臣の精神は、生きるためならばと圧倒的に不利な条件を全て飲み、死神との契約を果たしてしまったのである。

与えられた「死を見る能力」は単純に「無意識下で一定の確率で発動し、見た者の死の間際を幻覚として見る」、「死者と生者を見分ける」というもので、前者は同じ目的相手にも死の可能性の数だけ何度でも発動する。
ある日は近い未来魔物に殺されている光景かもしれないし、ある日は遠い未来同僚に刺されている光景かもしれないのだ。

また、「無意識時に時間の枠を超えた世界の災厄を見る能力」は、過去でも現在でも未来でも、起こりえた、起こりうる全ての世界の災厄の記録を夢として見る能力である。

どちらも与えられた能力は自身でコントロールが出来ないうえに、非常にいらない能力である。
「死を見る能力」もある種では「どうすれば目の前の敵を殺せるか」がわかりそうな気がするが、見た幻覚が自分の進む未来のものだとは言えないので頼りづらいし。
また、その能力が発動しない時は倒しえない敵である可能性も出てくるのだ。

そもそも取り引きの際に死神が差し出した「不死」というのも決して利点のあるものでもなく、「自分に向かうはずだった死のベクトルが身近な他所へいく」だけだったり、「この拘束から逃れるための自傷・自殺行為が一切認められない」ということもあり、幸福を得られるかと言われれば単にそれは延命の呪いに過ぎない。

死神との接続点は右眼と植え付けられた左手甲の核なので、意思を持ってこれを潰そうものなら痛みに悶えるだけで解放もされず決して死ぬこともできない。

死神は自身が少しでも多くの魔力を得るために、武器として麿臣に鎌槍を授けた。
これは正真正銘ただの強力な武器ではあるが、麿臣にしか扱えないためリスクは大きい。(他の獄卒が触れようものならば一瞬で悪性のものだとわかってしまう)

麿臣自身が死神との契約を知るのは、候補生として生み出された8歳から数年が経った頃。
薔薇院から伝えられていた、与えられた能力の実感がまるでなく、むしろ変な幻覚ばかり見ていた麿臣は、直々に赴いてきた死神によって真相を知る。
死に恐れたまだ自我を持たない過去の自身の選択を悔やんだところでどうしようもない。
なんとかして死神との契約を切る方法を探し出すしかないのだ。

そして、呼詠が麿臣に宝物探索を命じた理由。
それは、彼がその死神について知っていたからだった。
呼詠は、麿臣の持つ鎌槍を見て直感してしまったのである。
であらば、一刻も早く彼から死神を引き離さなければ。

薔薇院澪織に相談を持ちかければ手段もあるかもしれないが、そんなことを話せば真っ先に手っ取り早く麿臣が消されることは呼詠とて理解していたのだ。

そして、弾き出した答えが現世の「蒼底神社」という場所にあると言われる祓魔道具「対凶の朱」。
なんでも教会の地下聖堂から続く鳥居の道の果ての祭壇というとんでもない結界の奥底にある宝物だ。

​これさえあれば、死神を麿臣から切り離せるらしいが……

​果たして、全ての選択は間違っていなかったのか

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第7章 ◆ Cage Desire

イメージソング I Bet You'll Forget That Even If You Noticed That / Foreground Eclipse  

死神は語る。

「私を置いていかないで、お姉さま!」

呼ばれて振り向く彼女は、言葉を失うだけだった。

そんなはずはない。

そんなはずはないのだ。

​だって自分は、だって私は、────

ねぇ、神様。

私は、誰なの?

どこから来たの?

その眼帯に隠されたもの。

​それこそが真実だったのだろう。

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終章…? ◆ Doom's Day

イメージソング Fight the night / ONE OK ROCK  

ひとつにふたつ。

幸せな未来と、彼らが救済されるための選択肢。

 

そこにはいくつのひかりがあって、いくつの犠牲があったのだろうか。

裁クノハ、オマエダ。

ねえ、どちらがいいのかしら?

コレヲ ヨンダ オマエハ

だれをすくいたかった…?

モウ タタカイハ ジュウブン、ダッテ?

まだまだ、しげきがたりないの。

かれらにはもっともっとこのさきも、

​クルシンデ モラワネエト

→→→二条麿臣を救う

 

→→→三条瑛汰を救う

 

→→→三条琴里を救う

 

→→→三条抹里を救う

→→→語リ部ヲ殺ス

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逵溘お繝ウ繝?ぅ繝ウ繧ー ◆ 蟷ク遖上↑譛ェ譚・縺ク

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❖ifストーリー ※多大なネタバレを含みます※

PE-code:NEMESIS

妖龍が会話をして意思疎通が出来た場合の彼らの行動のif

PE-code:OMEN

イメージソング Noble / Foreground Eclipse

焔龍が裂断と封印をされなかった世界の情勢のif

PKSM-code:INFERNO

イメージソング 君は僕に似ている / see-saw

大戦で死亡する一条と豪徳の片割れが死なない世界の組織のif

PK-code:DEAR

獄卒にならなかった二条碧深と獄卒として生まれ変わった二条麿臣の

世界の慈愛のif

PK-code:LOT

既に三条慧汰は死亡したとみなされ兄弟としての記憶を消された三条瑛汰と

死亡していなかった三条慧汰の世界の兄弟のif

PK-code:SANCTUARY

イメージソング 回る空うさぎ / Orangestar

四条女鵺が第二次獄京大戦で死なずにユメユメと出会っていた世界の支配のif

 

PK-code:RAID

イメージソング 英雄 運命の詩 / EGOIST

三条の獄卒ではなく五条の獄卒として配属された抹里と

五条景時が共に戦う世界の未来のif

PK-code:FALSE

イメージソング Refrain / 少女病

京都大戦で烏室春亮が死ななかった世界の幸福のif

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